キックボクシング後の筋肉は温める?冷やす?「理学療法士×プロ格闘家が徹底解説」
クラスでキックボクシングを楽しんでいる方から、よくいただくご質問があります。
「キックボクシングの練習後は筋肉を温めた方がいいのか、それとも冷やした方がいいのか?」

結論から言うと、
一か所に強い痛み等が無い場合
基本的には「温める」ことが疲労回復には効果的です。

ただし、状況によっては「冷やす」ことが必要になる場合もあります。

今回はその違いを、理学療法士とプロ格闘家の視点からわかりやすく解説していきます。
キックボクシング後は、なぜ温めるのが良いのか?
キックボクシングは全身を使う運動であり、筋肉には軽い損傷(いわゆる筋肉痛の原因)が起きています。

この状態で体を温めると、以下のようなメリットがあります。
・血流が良くなる
・疲労物質が排出されやすくなる
・筋肉の緊張が和らぐ
温めることで筋肉に起こった損傷の回復は促進され、さらに筋肉のコンディションをよくすることができます。
回復を早めるためには「温める」ことが非常に有効です。

キックボクシングを行った後に、軽く入浴等で体を温めることで、次の日の疲労感が大きく変わります。

では「冷やす」のはどんな時?
一方で、「冷やす」べき場面もあります。
それは、
炎症が強く起きている場合(ケガに近い状態)です。

例えば以下のような状態です。
・強い痛みがある
・腫れている
・熱感がある
・動かすと明らかに違和感がある
このような場合は、筋肉や関節に過剰な炎症が起きている可能性があり、温めることでさらに炎症を強めてしまう可能背性も高くなります。
炎症は悪いもの?実は回復に必要な反応
ここはとても重要なポイントです。
炎症というのは、
身体を修復するために必要な反応です。
決して体に不利益を及ぼす悪者ではありません。
キックボクシングやトレーニング後に筋肉が成長するのも、この炎症反応が関係しています。

しかし人間の身体は時として、
必要以上に強い炎症を起こしてしまうことがあります。

その結果
・痛みで動けなくなる
・他の部位をかばい二次的なケガにつながる
といったトラブルが起こる可能性があります。
そのため
急性期(痛みが強い初期段階)には冷やすことが重要になります。
あくまでも冷やすのは受傷後2〜3日が目安
ケガをした直後に「とにかく冷やした方が良い」と思われがちですが
実は冷やすべき期間はずっと続くものではありません。
基本的には受傷後2〜3日(48〜72時間程度)が目安です。

この期間は、身体の中で炎症反応が強く起きている状態であり、
腫れ・熱感・ズキズキとした痛みが出やすいタイミングです。
この急性期に冷やすことで、過剰な炎症を抑え、痛みの増強や腫れの広がりを防ぐ効果が期待できます。
ただし、炎症は本来「組織を修復するために必要な反応」でもあります。
長期間にわたって冷やし続けてしまうと、逆に回復を遅らせてしまう可能性もあります。
あくまでも「炎症が強い初期のみ冷やす」という考え方が重要です。
冷やす時間と頻度の目安
では、実際にどのくらい冷やせば良いのでしょうか。目安は以下の通りです。
●冷やす時間
1回あたり10〜15分程度
長時間冷やしすぎると血流が下がりすぎてしまうため、
「短時間で区切る」ことがポイントです。

●頻度
1日2〜3回程度
● 冷やすときのポイント
氷やアイスパックをタオル越しに当てる
感覚がなくなるまで冷やさない
「気持ち良い〜少し冷たい」程度で止める
→冷やしすぎると、回復に必要な血流や神経の働きまで止めてしまうため
冷やす期間を過ぎたらどうする?
受傷後2〜3日が経過し
・熱感が落ち着いている
・腫れが引いてきている
・ズキズキした痛みが減っている
このような状態であれば
冷やす段階から「回復させる段階」へ切り替えることが重要です。
具体的には、
温めて血流を促す
軽く動かして機能を戻す

見極めが難しい場合には、医療従事者やトレーナーなど、知識のある方に助言を求めることも必要かと思います。
現場での使い分け
キックボクシングの指導や身体のケアを行う中でも、以下のように使い分けていくことがおススメです。

通常のトレーニング後
→ 温める(入浴・軽いストレッチ)
疲労回復を促進します。
明らかな痛みや違和感がある場合
→ 冷やす(アイシング)
炎症をコントロールします。
まとめ
キックボクシングを楽しむ方にとって、運動後のケアはパフォーマンス向上にもケガ予防にも直結します。
この考え方を知っておくだけで、身体のコンディションは大きく変わります。

ピアレスウルフでは、キックボクシングを長く楽しく続けていただくことが大切だと考えています。
正しいケアを取り入れながら、無理なくキックボクシングを続けていただけたらと思います!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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お気軽にお問い合わせください。

記事の執筆者
阪本洋平(ピアレスウルフ代表)
・理学療法士
・総合格闘家/初代GRACHANライト級チャンピオン/第二代GRACHANフェザー級チャンピオン
・パーソナルトレーナー
経歴
琉球大学理学部海洋自然科学科生物系卒業。
琉球大学在学時代から総合格闘技のプロ選手として活動を開始。
その後自らの怪我や痛みの原因を知るため、茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科に入学。
在学中も選手としての活動を継続する。
卒業後は理学療法士として茨城県内の総合病院に勤務する傍ら、初代GRACHANライト級チャンピオン(2016年)第2代GRACHANフェザー級チャンピオン(2017年)を獲得。
2023年4月、つくば市松代にキックボクシング・ブラジリアン柔術・総合格闘技ジム「ピアレスウルフ」パーソナルトレーニングジム「ピアレスウルフパーソナル」をオープン
阪本典子(スペシャルアドバイザー)
・医学博士
・大阪市立大学 医学研究科解剖学 博士課程修了
・九州栄養福祉大学 名誉教授
・九州栄養福祉大学 食物栄養学部 食物栄養学科 教授
・近畿大学医学部 学内講師



